トランスという部品
- 2021/05/20
- 03:42
電磁誘導によって,電圧(交流)を上げたり下げたりする働きがある。
導線をクルクルとバネ状に巻いたものをコイルと呼ぶ。回路図中で,中央と右のクルクルとカールした記号がコイルを表す。
以前のページの回路図を参照:

トランスは鉄芯を介して2組以上のコイルが巻かれた部品で,真ん中の2本線が鉄芯の記号である。鉄芯を介して2組以上のコイルが巻かれている様子が記号で表されている。この入力側を1次,出力側を2次と呼ぶ。
電磁誘導とは,並べたり重ねたりした2個のコイルの一方に交流を流すと,電磁力によって,独立したもう一方のコイルに電流が流れるという不思議な現象だ。もちろん,2個のコイル同士は繋がっていない。この現象は交流でしか生じないので,電池を繋いでも電磁誘導は起きないが,電磁石にはなる。
日常目にするものでは,電柱の上の方に付いているグレーっぽい箱型のものが変圧トランスで,あれは電線で送られた来た5,000V位の電気を,家庭用の100Vないし200Vに下げる役目をしている。扱う電力(電圧・電流)が大きいのでデカイ。

画像引用:電柱JV@Masayuki Takata http://www.tl.cc.uec.ac.jp/~takata/Power/LowVoltage.html
アンプで使うトランスには色々な形状と大きさがある。原型は一番左のような形状で,その形にそって鉄板でカバーしたのが2番目,右の2種類の直方体のものは,見てくれがいいよう整然とした鉄のケースでカバーしているだけで,中身は同じ構造(形状)である。

画像引用:音の工房 http://otonokobo.jp/02_knowlege/knowlege.html
トランスには役割によって,マッチングトランス(入力トランスや出力トランス)と,家庭用電源の100Vをアンプ回路に必要な電圧に昇圧・降圧させる電源トランスなどがある。マッチングトランスとは,トランスの左右の回路のインピーダンス(交流抵抗)を整合させる役割で使われる。インピーダンスとは交流抵抗のことで,スピーカーの4Ω(オーム)とか8Ωというやつだ。
現在のトランジスタやICなどのアンプでは,トランスが使われることはない。真空管のパワーアンプでも,入力トランスは殆ど使われなくなったが,電源トランスは必須で,出力トランスも特殊な回路を除いては使われており,球アンプの音はこの出力トランスで決まると言われるほど重要な素子である。
また,このアンプの特徴である中央(左側)のトランスはイントラと呼ばれる。このイントラは,出力管との相性が良し悪しが強いと言われており,ここで使ったイントラは2A3専用に設計されたものである。
2次側が上下2個のトランス(コイル)が繋がって見えるが,そのとおりで,このトランスは,先のプッシュプル回路で使用する場合には,上下を分離すれば2組の出力が得られるようになっている。シングルの場合には,図のように直列になるよう,2個の端子を繋いで使う。
イントラは,励振段と出力管を繋ぐ役割を持ち,その言葉通り「段の間」に置かれるので,インター・ステージ・トランス(通称イントラ)と呼ばれる。イントラを使った回路もかなりマイナーな構成で,殆ど見かけることはない。超マイナーな理由は,大きく重い部品で,トランスは価格が高く,且つ,コンデンサー1個がその代わりを出来るからだ。トランスは鉄の塊のようなものなので,このアンプの電源トランスは,1個で数kgある。イントラは,増幅途中の小さな信号(電力)を扱うだけなので小さいく,重さも1kg程度しかない。
マイナーこそ物の価値と捉えている俺は,喰い付いてしまった訳だ。
よって今回使用したイントラは,電圧を上げ下げしたり,前後のインピーダンスを整合させる目的ではなく,カップリングコンデンサーの代わりに直流分をカットする目的で使われている。カップリングコンデンサーについては次に改めて説明する。
導線をクルクルとバネ状に巻いたものをコイルと呼ぶ。回路図中で,中央と右のクルクルとカールした記号がコイルを表す。
以前のページの回路図を参照:

トランスは鉄芯を介して2組以上のコイルが巻かれた部品で,真ん中の2本線が鉄芯の記号である。鉄芯を介して2組以上のコイルが巻かれている様子が記号で表されている。この入力側を1次,出力側を2次と呼ぶ。
電磁誘導とは,並べたり重ねたりした2個のコイルの一方に交流を流すと,電磁力によって,独立したもう一方のコイルに電流が流れるという不思議な現象だ。もちろん,2個のコイル同士は繋がっていない。この現象は交流でしか生じないので,電池を繋いでも電磁誘導は起きないが,電磁石にはなる。
日常目にするものでは,電柱の上の方に付いているグレーっぽい箱型のものが変圧トランスで,あれは電線で送られた来た5,000V位の電気を,家庭用の100Vないし200Vに下げる役目をしている。扱う電力(電圧・電流)が大きいのでデカイ。

画像引用:電柱JV@Masayuki Takata http://www.tl.cc.uec.ac.jp/~takata/Power/LowVoltage.html
アンプで使うトランスには色々な形状と大きさがある。原型は一番左のような形状で,その形にそって鉄板でカバーしたのが2番目,右の2種類の直方体のものは,見てくれがいいよう整然とした鉄のケースでカバーしているだけで,中身は同じ構造(形状)である。

画像引用:音の工房 http://otonokobo.jp/02_knowlege/knowlege.html
トランスには役割によって,マッチングトランス(入力トランスや出力トランス)と,家庭用電源の100Vをアンプ回路に必要な電圧に昇圧・降圧させる電源トランスなどがある。マッチングトランスとは,トランスの左右の回路のインピーダンス(交流抵抗)を整合させる役割で使われる。インピーダンスとは交流抵抗のことで,スピーカーの4Ω(オーム)とか8Ωというやつだ。
現在のトランジスタやICなどのアンプでは,トランスが使われることはない。真空管のパワーアンプでも,入力トランスは殆ど使われなくなったが,電源トランスは必須で,出力トランスも特殊な回路を除いては使われており,球アンプの音はこの出力トランスで決まると言われるほど重要な素子である。
また,このアンプの特徴である中央(左側)のトランスはイントラと呼ばれる。このイントラは,出力管との相性が良し悪しが強いと言われており,ここで使ったイントラは2A3専用に設計されたものである。
2次側が上下2個のトランス(コイル)が繋がって見えるが,そのとおりで,このトランスは,先のプッシュプル回路で使用する場合には,上下を分離すれば2組の出力が得られるようになっている。シングルの場合には,図のように直列になるよう,2個の端子を繋いで使う。
イントラは,励振段と出力管を繋ぐ役割を持ち,その言葉通り「段の間」に置かれるので,インター・ステージ・トランス(通称イントラ)と呼ばれる。イントラを使った回路もかなりマイナーな構成で,殆ど見かけることはない。超マイナーな理由は,大きく重い部品で,トランスは価格が高く,且つ,コンデンサー1個がその代わりを出来るからだ。トランスは鉄の塊のようなものなので,このアンプの電源トランスは,1個で数kgある。イントラは,増幅途中の小さな信号(電力)を扱うだけなので小さいく,重さも1kg程度しかない。
マイナーこそ物の価値と捉えている俺は,喰い付いてしまった訳だ。
よって今回使用したイントラは,電圧を上げ下げしたり,前後のインピーダンスを整合させる目的ではなく,カップリングコンデンサーの代わりに直流分をカットする目的で使われている。カップリングコンデンサーについては次に改めて説明する。