TANNOY SRM15 (4)
- 2021/04/02
- 17:41
タンノイはそれまで,クラシックのシンフォニーに焦点を当てた音作りであった,と言われている。シンフォニーを「らしく」鳴らすには,モヤッとした低音の空気感が確かに似合う。最も評価が高いオートグラフやGRFなどは,バックロードホーン特有の締りのなさがその効果を与えている。ただ,だらぁ~んとダダ漏れのように響く低音は,じじーのションベンの如し。じじーのションベンは幸いなことに味わったことがないが,それが良い味に響く。
オートグラフは,某マニアの方の立派なリスニングルームを含め,2セットほど視聴しただけであるが,確かにモワモワァ~とした空気感が再生される。良く言えば,ホールの空気感,言い方を変えると節操のない音像がぼやけた低音で,それに釣られるように中高域の抜けも悪い。
オートグラフは言わずと知れた故五味康祐氏絶賛の名器であるが,モノラル時代の機器である上,音もモヤモヤッとした古臭くて抜けの悪いこのスピーカーの音は,個人的には好きではない。一聴してナローレンジなのが判る。これは恐らくはバックロードホーンのチューニングゆえだろう。

そのオートグラフを簡単に説明すると,1968年発売の初期のオートグラフに搭載されたユニットには,モニター・シルバー,レッド,ゴールドのバリエーションがある。1976年発売の中期モデルは,旧モデルの設計図を元に日本(販売元のティアック)で作られた箱にHPD385Aが搭載され,1979年発売のモデルには,同じ国産箱にk3808が搭載されている。
タンノイには,オートグラフ以外にも,オートグラフを一回り小さくしたバックロードホーンのGRFがあり,やはり3種のユニットで販売されている。筐体は小さくなったが,バックロードホーンはやや長くなっている。1981年以降,タンノイのシステムは新しいシリーズに変わり,2000年頃まで続く。その中には,復刻版のGRFメモリーが含まれている。その後はハイレゾを意識した新たなシリーズが出ている。
若き頃には私も大いに学ばせていただいた,かの故長岡鉄男氏が言うように,同じユニットでも箱によってその音は全く変わる。
そもそも,バックロードホーンやバスレフや密閉と言った箱の違いには好みがあるので,良い悪いの話ではない。単なる嗜好の問題である。しかし,この時代のタンノイのシステムは,アーデンを含め,シンフォニーの響きをターゲットにした,概ね低音域の空気感を優先した締りのないダブダブの低域という音作り路線であった,と思う。そんなタンノイの製品の中に在って,良きにつけ悪しきにつけ,SRM15が異色の存在であるのは紛れもない事実である。
オートグラフは,某マニアの方の立派なリスニングルームを含め,2セットほど視聴しただけであるが,確かにモワモワァ~とした空気感が再生される。良く言えば,ホールの空気感,言い方を変えると節操のない音像がぼやけた低音で,それに釣られるように中高域の抜けも悪い。
オートグラフは言わずと知れた故五味康祐氏絶賛の名器であるが,モノラル時代の機器である上,音もモヤモヤッとした古臭くて抜けの悪いこのスピーカーの音は,個人的には好きではない。一聴してナローレンジなのが判る。これは恐らくはバックロードホーンのチューニングゆえだろう。

そのオートグラフを簡単に説明すると,1968年発売の初期のオートグラフに搭載されたユニットには,モニター・シルバー,レッド,ゴールドのバリエーションがある。1976年発売の中期モデルは,旧モデルの設計図を元に日本(販売元のティアック)で作られた箱にHPD385Aが搭載され,1979年発売のモデルには,同じ国産箱にk3808が搭載されている。
タンノイには,オートグラフ以外にも,オートグラフを一回り小さくしたバックロードホーンのGRFがあり,やはり3種のユニットで販売されている。筐体は小さくなったが,バックロードホーンはやや長くなっている。1981年以降,タンノイのシステムは新しいシリーズに変わり,2000年頃まで続く。その中には,復刻版のGRFメモリーが含まれている。その後はハイレゾを意識した新たなシリーズが出ている。
若き頃には私も大いに学ばせていただいた,かの故長岡鉄男氏が言うように,同じユニットでも箱によってその音は全く変わる。
そもそも,バックロードホーンやバスレフや密閉と言った箱の違いには好みがあるので,良い悪いの話ではない。単なる嗜好の問題である。しかし,この時代のタンノイのシステムは,アーデンを含め,シンフォニーの響きをターゲットにした,概ね低音域の空気感を優先した締りのないダブダブの低域という音作り路線であった,と思う。そんなタンノイの製品の中に在って,良きにつけ悪しきにつけ,SRM15が異色の存在であるのは紛れもない事実である。