たっぷり南米の南部ぜ。
- 2021/07/02
- 01:00
ビオレッタ・パラ
チリ生まれの女性シンガーソングライター。折しも米ソで覇権争いが表面化し,キューバ危機を経て,アジアではベトナム戦争が勃発し,南米チリでも,社会主義政権が生まれそうになっていた。アメリカのニクソン・キッシンジャーのコンビがそれを阻止すべく強く関与してた。民衆はいっそう社会主義化に傾き,1970年には史上初めて選挙による社会主義政権が誕生する。
そんな政治不安と混乱の時期に海外での活動も含め創作活動を続けたが,この曲の世界的ヒットにも拘わらず生活は貧困を極め,1967年,49歳でピストル自殺する。しかし,貧困や離婚に失望して自殺を選んだ訳ではないようだ。果たして。...。
Gracias a la vida 1966年の曲。俺は南米で知り,その極めてシンプルで美しい旋律とその歌詞に感動したぜよ。タイトル通り,人間として生まれた来たこと,人生に感謝する歌詞だが,自分の人生に対する皮肉を込めたものという解釈もあるらしいぜ。
歌詞の内容は,
各コーラスの冒頭のフレーズは
「たくさんのものを与えてくれた人生,ありがとう。」
で始まり,コーラスごとにこう続く。
「白と黒を見分ける目を与えてくれた人生に」
「耳を与えてくれた人生に」
「音と文字を与えてくれた人生に」
「疲れた足でも歩けるようにしてくれた人生に」
「ときめくことが出来る心をくれた人生に」
「微笑みと涙をくれた人生に」
同じ曲をカバーした人たち
Elis Regina 言わずと知れたブラジルの女性歌手。"ELIS & TOM"という,アントニオ・カルロス・ジョビンとのボサノバのアルバムは乗りがすごく良いアルバムなんで,一番下に張るぜ。
Mercedes Sosa この手の曲で知らぬ人はおらぬ驚異的なデブの歌手メルセデス・ソーサ。兎に角,声が良く,半端なく唄が上手い。動画は70前後の姿だと思うが,曲は若い頃の録音で,我が家にLPがあるぜよ。がしかし,歌い上げるこの人より,素朴に歌うビオレッタの方が良いぜ。
メルセデス・ソーサが出たので,ついでに彼女の曲をもうひとつぜ。
Alfonsina y el Mar これも多くの歌手に歌われているぜ。アルフォンシーナは,スイス生まれのアルゼンチン人女性で,第1次大戦中も平穏であったアルゼンチンで戯曲作家としても活躍した高名な詩人であるぜ。乳がんが発覚し,それを苦にして46歳で入水自殺したぜ。そなん彼女を悼んで,Ariel Ramírez作曲,Félix Luna作詞で1969年に発表された曲ぜよ。
ギリシャのNana Mouskouriによる歌唱。
Merceditas この曲は,パラグアイ・アルゼンチン・ブラジル・チリなど南米南部では老若男女誰もが知っているフォルクロレぜ。アルゼンチンに居るときに,テレビニュースのオープニングで毎日掛かっていて好きになったぜよ。ガウチョ(カウボーイ)が美しい女に恋をし,一生忘れられずに生きていくという女々しい話。歌詞に近いイメージ動画があったぜよ。ロス・チャルチャレロスというフォルクロレグループぜ。
同じ曲ぜ。知らない人たちで,1と2コーラスはブラジル語,3コーラスはカステヤーノで歌ってるぜ。聴衆の盛り上がりはこの曲のポピュラーさを物語ってるぜよ。
これも知らない人バージョンぜよ。ブラジル人バージョンだぜ。あんまり唄は上手くないが,サイドギターのねぇちゃんがあまりに逞しいんで採用ぜ。カステヤーノ(スペイン語)ではメルセディータ,ブラジル語(ポルトガル語)ではメルセジータとなるぜ。メルセデスの親称ぜ。アルゼンチンはドイツ系移民が多いんで,ここらの国々ではよくある女性の名前ぜよ。
上で書いたエリス・へジーナ(=レジーナ)のアルバム(1974)の中から"Aguas de Março"を張るぜよ。アルゼンチンで買ったカセット・テープでこのアルバムを知ったが,中でも途中から楽しげに笑いながら歌っているのが気に入ったのぜ。
こんな録音中の動画があるのは知らなかったが,こんな感じだったんだなぁ。想像していた通り楽しそうぜよ。歌や演奏は本人達がまず楽しくあらねばいかんぜよ。ええ冥土の土産ぜ。ちなみに,1982年に36歳の若さで薬と酒で死んじまったぜ。こんな才能溢れる歌手は他には居ないのにもったいないぜよ。
ボサノバ・ハモーニカの巨匠,Toots Thielemansとのアルバム(Aquarela do Brazil:ブラジルの水彩画)も最高ぜ。格段に下手なアストラッド・ジルベルトと比べるのもなんだが,アストラッドより好きかもぜ。アストラッドはその下手さと,エリスとは別の個性的な声がいいだぜが...やっぱ優劣つけがたいぜよ。どっちも好きぜよ。ジャズもクラシックもええんじゃが,音楽の中ではボサノバが最高ぜよ。アストラッドは生コンサートを聴いたことがあるぜよ,エッヘン!だけど,これはエリスぜよ。
チリ生まれの女性シンガーソングライター。折しも米ソで覇権争いが表面化し,キューバ危機を経て,アジアではベトナム戦争が勃発し,南米チリでも,社会主義政権が生まれそうになっていた。アメリカのニクソン・キッシンジャーのコンビがそれを阻止すべく強く関与してた。民衆はいっそう社会主義化に傾き,1970年には史上初めて選挙による社会主義政権が誕生する。
そんな政治不安と混乱の時期に海外での活動も含め創作活動を続けたが,この曲の世界的ヒットにも拘わらず生活は貧困を極め,1967年,49歳でピストル自殺する。しかし,貧困や離婚に失望して自殺を選んだ訳ではないようだ。果たして。...。
Gracias a la vida 1966年の曲。俺は南米で知り,その極めてシンプルで美しい旋律とその歌詞に感動したぜよ。タイトル通り,人間として生まれた来たこと,人生に感謝する歌詞だが,自分の人生に対する皮肉を込めたものという解釈もあるらしいぜ。
歌詞の内容は,
各コーラスの冒頭のフレーズは
「たくさんのものを与えてくれた人生,ありがとう。」
で始まり,コーラスごとにこう続く。
「白と黒を見分ける目を与えてくれた人生に」
「耳を与えてくれた人生に」
「音と文字を与えてくれた人生に」
「疲れた足でも歩けるようにしてくれた人生に」
「ときめくことが出来る心をくれた人生に」
「微笑みと涙をくれた人生に」
同じ曲をカバーした人たち
Elis Regina 言わずと知れたブラジルの女性歌手。"ELIS & TOM"という,アントニオ・カルロス・ジョビンとのボサノバのアルバムは乗りがすごく良いアルバムなんで,一番下に張るぜ。
Mercedes Sosa この手の曲で知らぬ人はおらぬ驚異的なデブの歌手メルセデス・ソーサ。兎に角,声が良く,半端なく唄が上手い。動画は70前後の姿だと思うが,曲は若い頃の録音で,我が家にLPがあるぜよ。がしかし,歌い上げるこの人より,素朴に歌うビオレッタの方が良いぜ。
メルセデス・ソーサが出たので,ついでに彼女の曲をもうひとつぜ。
Alfonsina y el Mar これも多くの歌手に歌われているぜ。アルフォンシーナは,スイス生まれのアルゼンチン人女性で,第1次大戦中も平穏であったアルゼンチンで戯曲作家としても活躍した高名な詩人であるぜ。乳がんが発覚し,それを苦にして46歳で入水自殺したぜ。そなん彼女を悼んで,Ariel Ramírez作曲,Félix Luna作詞で1969年に発表された曲ぜよ。
ギリシャのNana Mouskouriによる歌唱。
Merceditas この曲は,パラグアイ・アルゼンチン・ブラジル・チリなど南米南部では老若男女誰もが知っているフォルクロレぜ。アルゼンチンに居るときに,テレビニュースのオープニングで毎日掛かっていて好きになったぜよ。ガウチョ(カウボーイ)が美しい女に恋をし,一生忘れられずに生きていくという女々しい話。歌詞に近いイメージ動画があったぜよ。ロス・チャルチャレロスというフォルクロレグループぜ。
同じ曲ぜ。知らない人たちで,1と2コーラスはブラジル語,3コーラスはカステヤーノで歌ってるぜ。聴衆の盛り上がりはこの曲のポピュラーさを物語ってるぜよ。
これも知らない人バージョンぜよ。ブラジル人バージョンだぜ。あんまり唄は上手くないが,サイドギターのねぇちゃんがあまりに逞しいんで採用ぜ。カステヤーノ(スペイン語)ではメルセディータ,ブラジル語(ポルトガル語)ではメルセジータとなるぜ。メルセデスの親称ぜ。アルゼンチンはドイツ系移民が多いんで,ここらの国々ではよくある女性の名前ぜよ。
上で書いたエリス・へジーナ(=レジーナ)のアルバム(1974)の中から"Aguas de Março"を張るぜよ。アルゼンチンで買ったカセット・テープでこのアルバムを知ったが,中でも途中から楽しげに笑いながら歌っているのが気に入ったのぜ。
こんな録音中の動画があるのは知らなかったが,こんな感じだったんだなぁ。想像していた通り楽しそうぜよ。歌や演奏は本人達がまず楽しくあらねばいかんぜよ。ええ冥土の土産ぜ。ちなみに,1982年に36歳の若さで薬と酒で死んじまったぜ。こんな才能溢れる歌手は他には居ないのにもったいないぜよ。
ボサノバ・ハモーニカの巨匠,Toots Thielemansとのアルバム(Aquarela do Brazil:ブラジルの水彩画)も最高ぜ。格段に下手なアストラッド・ジルベルトと比べるのもなんだが,アストラッドより好きかもぜ。アストラッドはその下手さと,エリスとは別の個性的な声がいいだぜが...やっぱ優劣つけがたいぜよ。どっちも好きぜよ。ジャズもクラシックもええんじゃが,音楽の中ではボサノバが最高ぜよ。アストラッドは生コンサートを聴いたことがあるぜよ,エッヘン!だけど,これはエリスぜよ。